■[UE 6.1]Windows OSのサービスパックの自動更新ブロック・ツールをカスタム・インストールで適用する方法
マイクロソフトは、2008年第1四半期以降、Windows XPのサービスパック3、Windows Vistaのサービスパック1の提供を開始する予定だ。またWindows
Server 2003のサービスパック2はすでに提供済みとなっている。
企業などでは、自動的にサービスパックがバージョンアップされてしまうと、業務アプリケーションの互換性に問題が生じる場合がある。そのため、検証が終わるまでサービスパックのインストールを当面保留しておきたいというニーズもあるだろう。
そのような要望に応えて、マイクロソフトではWindows OSのサービスパックが一定期間、Windows Update/Microsoft Update/自動更新によってインストールされるのをブロックするための「ブロッカー・ツール」を提供している。このスクリプトは、リモート・コンピュータに対しても実行できるものの、1台ずつコンピュータ名を指定して実行しなければならない。また正しく適用できたかどうかの確認は、各コンピュータのレジストリを確認するしかない。そこで、UpdateEXPERTのカスタム・インストール機能を利用して、このツールをリモートから管理対象コンピュータに対して実行・確認する方法を紹介する。
OS名 |
ブロック・ツールの有効期間 |
Windows Server 2003 SP2 |
2008年3月まで |
Windows XP SP3 |
提供開始より12カ月間 |
Windows Vista SP1 |
提供開始より12カ月間 |
まず、マイクロソフトのダウンロード・センターから「Windows Service Pack ブロッカー ツール キット」をダウンロードし、適当なフォルダ上に展開する。
・ダウンロード・センター(Windows Service Pack ブロッカー ツール キット):
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?
FamilyID=ec662f0f-4167-44e7-ba79-766679892ba2&DisplayLang=ja
次にUpdateEXPERTのコンソールの[表示]−[カスタム インストールのみ表示]メニューを選択し、[修正プログラム]ペインを[カスタム インストール]ペインに変更する。このペイン上で右クリックを行い、メニューから[カスタム
インストールの作成]を選択する。
[カスタム インストールの作成]ダイアログの各項目には、以下の内容を入力する。
入力フィールド |
記述内容 |
[説明]タブ−説明 |
SPBlock |
[説明]タブ−ファイル |
SPBlockingTool.exe |
[インストール]タブ−コマンド |
プログラムの実行 |
[インストール]タブ−インストール コマンド−ユーザー アカウント |
ローカル システム |
[インストール]タブ−インストール コマンド−処理 |
SPBlockingTool.exe |
[インストール]タブ−インストール コマンド−処理 |
/B |
[検出]タブ−種類 |
レジストリ |
[検出]タブ−検出コマンド−レジストリ ハイブ |
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\
Microsoft\Windows\WindowsUpdate |
[検出]タブ−検出コマンド−値の名前 |
DoNotAllowSP |
[検出]タブ−検出コマンド−演算子 |
= |
[検出]タブ−検出コマンド−値 |
1 |
以上を入力して[OK]ボタンをクリックすると、[カスタム インストール]ペインに「SPBlock」が作成されているはずだ。
適用するには、[ネットワーク]ペインでサービスパックの自動更新をブロックしたいWindows XP/Windows Server 2003/Windows
Vistaのコンピュータを選択したうえ、「SPBlock」を右クリックし、[インストール]を選択する。「SPBlockingTool.exe」のダウンロードに失敗した旨のエラー・ダイアログが表示されるので、ここで事前に展開しておいた「SPBlockingTool.exe」の保存場所を指定してインストールを続行する。これで、ブロッカー・スクリプトが選択したコンピュータに適用される。再びクエリを実行すると、適用に成功していれば「SPBlock」の前にある○アイコン(インストール・ステータス・アイコン)が緑色に点灯しているはずだ。失敗している場合は○がグレーのままなので、上述のカスタム・インストールの記述に間違いがないか確認しよう。
なおブロックを解除したい場合は、以下のようなカスタム・インストールを作成すればよい。
入力フィールド |
記述内容 |
[説明]タブ−説明 |
SPOpen |
[説明]タブ−ファイル |
SPBlockingTool.exe |
[インストール]タブ−コマンド |
プログラムの実行 |
[インストール]タブ−インストール コマンド−ユーザー アカウント |
ローカル システム |
[インストール]タブ−インストール コマンド−処理 |
SPBlockingTool.exe |
[インストール]タブ−インストール コマンド−処理 |
/U |
[検出]タブ−種類 |
レジストリ |
[検出]タブ−検出コマンド−レジストリ ハイブ |
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\
Microsoft\Windows\WindowsUpdate |
[検出]タブ−検出コマンド−値の名前 |
DoNotAllowSP |
[検出]タブ−検出コマンド−演算子 |
存在しない |
「SPOpen」という名前のカスタム・インストールが作成されるので、これを適用すれば、「SPBlock」の○がグレーに変わり、「SPOpen」の○が緑色になるはずだ。これでサービスパックの自動更新が実行されるようになる。 |