■悪意のあるソフトウェアの削除ツール(Malicious Software Removal Tool)
マイクロソフトが提供している、Windows 2000/XP/Server 2003のコンピュータからウイルスやワームなどの悪意のあるソフトウェアを削除するツール。
これまでもBlasterやSasserなどのワームやウイルスの広範囲な感染報告を受けて、マイクロソフトは悪意のあるソフトウェアごとに検出・削除ツールを提供してきた。これらの検出・削除ツールを統合し、毎月第2火曜日(米国時間)の月例セキュリティ修正プログラムの提供と同時に、更新した「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」を提供することとした。悪意のあるソフトウェアの削除ツールは、Windows
Updateやダウンロード・センターで提供されている。
悪意のあるソフトウェアの削除ツールを実行するには、対象コンピュータのローカルAdministratorsグループに所属するアカウントを使用してコンピュータにログオンしている必要がある。またこの削除ツールは、重大な影響をもたらすいくつかのウイルス/ワームを検出・駆除するだけで、ウイルス対策ソフトウェアを代替するものではない。
悪意のあるソフトウェアの削除ツールは、自動解凍機能を持つキャビネット・ファイルとして提供されており、ダウンロードしたファイルをダブルクリック(Windows
Update経由で実行した場合には、自動実行される)すると、キャビネット・ファイルから削除ツールが解凍され実行される。削除ツールの実行時には、一時的に作業フォルダが作成されるが、次回の起動時にはこのフォルダは自動的に削除される。通常のプログラムのようにハードディスクに永続的にインストールされることはないし、プログラム・メニューにアイテムが追加されることもない。
一般的なウイルス対策ソフトウェアのように、リアルタイムの監視機能など持っていない。そのため、ウイルスやワームに感染しても、次に悪意のあるソフトウェアの削除ツールが実行されるまで、感染したままの状態になってしまう。悪意のあるソフトウェアの削除ツールは、あくまでもウイルス対策の補助ツールなので、一般的なウイルス対策ソフトウェアを導入し、ウイルス定義ファイルの更新などを正しく行うようにした方がよい。逆に、正しくウイルス対策ソフトウェアを運用しているのならば、悪意のあるソフトウェアの削除ツールを実行する必要はない。
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