■uRPF(ユニキャスト・リバース・パス転送)
unicast Reverse Path Forwardingの略で、ルータのルーティングの仕組みを利用したパケット・フィルタリングの手法。
uRPFは、ルーティング・テーブルを利用して送信元のIPアドレスが不正なものでないことを確認することで、送信元アドレスが詐称されたパケットや、プライベート・アドレス、未使用アドレス、マルチキャスト・アドレスなどによるパケットを判別して破棄する手法である。
uRPFには、LooseモードとStrictモードの2つのモードが用意されている。
Looseモードは、その名称のとおり、緩やかなフィルタリングである。単純にパケットの送信元のIPアドレスがルーティング・テーブルに存在するかどうかのみ確認する。ルーティング・テーブルに存在する場合は、パケットを通過させ、存在しない場合には破棄する。
Strictモードは、厳密に処理する方法で、Looseモードに加え、パケットの送信元アドレスへの経路とパケットの流入インターフェイスが完全に一致していることまで確認する。Strictモードでは、複数のインターネット接続サービス(ISP)と契約している場合に不具合が生じる可能性がある。例えば、片方のISPから割り当てられたIPアドレスを送信元アドレスとして、もう一方のISPへ送信してしまう場合だ。このような場合、送信元アドレスと流入インターフェイスが一致しない(ほかのISPからの正常でない流入経路からの接続となる)ため、パケットが破棄されてしまうことになる。
このため、すでにuRPFを導入しているISPも、Looseモードで運用しているところが多い。uRPFは、IETF(Internet Engineering
Task Force)が推奨していることから、今後、多くのISPで採用が進むものと思われる。
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